研究内容 :: 食品生化学研究室 :: 東京大学大学院 農学生命科学研究科 応用生命化学専攻
研究内容一覧
- 1:脂質代謝を制御する転写因子SREBPに関する研究
- 2:核内受容体による脂質代謝機構に関する研究
- 3:脂肪細胞分化の分子細胞生物学的解析と抗肥満
1:脂質代謝を制御する転写因子SREBPに関する研究
細胞内コレステロール量は非常に厳密に制御されており、不足した際には、コレステロール合成経路の諸酵素の活性を上昇させ、また細胞表面のLDL受容体の数を増やし、細胞外からの取り込みを増加させます。この精緻な制御機構は転写レベルで行われており、これを支配するのがSREBPです。SREBPは2ヶ所の膜貫通領域を持ち、合成後は小胞体膜上に膜タンパク質として局在します。小胞体膜中のコレステロール含量が減るとこれを感知し、 SREBPはゴルジ装置へと運ばれ、そこでN末端側が切り出され、この活性型が核へと輸送され、核内で種々の応答遺伝子の転写をスイッチオンさせます。
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我々は、活性型がこれまでに例のない機構で核へ輸送されること、核内ではユビキチン化、SUMO化修飾を受け、活性調節を受けることを明らかにしてきました。さらに、核内である種の核内受容体とタンパク質結合を介して、お互いの活性調節をする新たな機構を明らかにしてきました。その後の研究からSREBPは、コレステロール代謝のみならず脂肪酸代謝を調節することが明らかにされており、脂質代謝調節の中心的役割を演じています。この様なダイナミックな脂質代謝制御の分子基盤を明らかにする研究を進めています。»詳細
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2:核内受容体による脂質代謝機構に関する研究
ヒトに48種類存在する核内受容体のうち、ステロイドホルモン、脂溶性ビタミン等をリガンドとして活性化される受容体はリガンドと作用機序が鮮明なことから研究が進行しました。その後、リガンドが不明確な受容体がオーファン受容体として取り残されました。しかし近年、そのうちのいくつかが脂質代謝の中間産物もしくは最終産物をリガンドとして機能することが明らかになり注目を集めています。
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例えば胆汁酸はコレステロールが肝臓で異化され、胆汁として小腸に分泌され、その一部は糞へと排泄されることから、コレステロール体外排泄の最終産物と考えられていました。しかし、胆汁酸を結合するFXRが明らかにされ、生理活性物質として新たに脚光を浴びるようになりました。酸化コレステロールをリガンドとするLXR、脂肪酸CoAをリガンドとするHNF-4、脂肪酸誘導体をリガンドとするPPAR等、種々の核内受容体が脂質代謝調節に関与しています。これらは、SREBPとも密接なクロストークを介して関連し、脂質代謝は種々の核内受容体、転写因子による重層的な調節を受けることが明らかにされつつあります。核内受容体のリガンド結合部位には脂溶性食品成分が結合する可能性も秘めており、微量食品成分の機能は核� ��受容体活性を介したものであることが考えられます。
3:脂肪細胞分化の分子細胞生物学的解析と抗肥満
脂肪組織はエネルギー貯蔵器官として機能しています。ここ10年程の研究成果により、種々の生理活性分子を分泌する内分泌組織であると認識されるに至っています。肥満は脂肪組織へ過剰の脂肪を蓄積し、脂肪細胞の性状を変化させ、インスリン抵抗性を惹起する分子の分泌を促すことにより糖尿病発症を導くと考えられています。脂肪細胞内において脂肪は細胞質に脂肪滴という形で蓄積されます。この脂肪滴の表面にはペリリピンという特異的なタンパク質が付着して、脂肪滴の形成、機能維持に関与しています。
我々は、脂肪細胞特異的なペリリピン遺伝子発現がPPARγの作用によることを明らかにし、さらに脂肪滴の形成機構を明らかにする試みを行っています。このような研究成果により、脂肪滴肥大、すなわち肥満を抑制する分子基盤を明らかにすることを目指しています。
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